私は現在、40代半ばの男性会社員なのですが、小学2年生の夏、忘れられない病院での思い出があります。
その日、私はいつも通り9時くらいに就寝したのですが、夜中に耳に激しい痛みを感じ、目が覚めました。
まるで砂浜が風で飛ばされたような、ザザー、ザザーという音が聞こえ、音とともに痛みが生じるのです。私は何が起こっているのかわかりませんでしたが、慌てて隣で寝ていた父を起こし、耳を見てもらいました。悲鳴を上げる私に母や祖父母まで起き出し、私の耳の穴に注目が注がれました。
懐中電灯で耳の中に光を当てた父が「昆虫のようなものが見える」というのでした。父と母は私を車に乗せ、病院へと向かってくれました。車の中で痛がる私に母は「大丈夫だからね」とやさしく声をかけてくれましたが、私の耳の痛みは激しさを増すばかりでした。
夜中の1時近くで、一軒目に訪れた病院は閉まっていて、チャイムを鳴らしても誰も出てきませんでした。しかし、2軒目に訪れた病院の先生が勉強のために起きていて、中に通してくれたのでした。吸引機で吸い上げると中から黄金虫が出てきたのですが、間違って耳の中に入ってしまったとのことでした。
鼓膜が少し傷ついた私の耳ですが、この病院の先生が起きていてくれたおかげで鼓膜が破けることはなく、今でも大変感謝しています。ちなみに今は宇都宮の呼吸器内科に通っています。